実験問題の詳細

試験問題


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実験問題の出題は計3題である。実験を開始する前に,全体の実験内容をよく見渡し,うまく実験計画を立てて取り組まないと,5時間の決められた時間内に,実験をすべておこない解答を用紙に記入することはできない。

実験のテーマは

N-アセチルフェニルアラニンのメチルエステルの酵素による加水分解(配点12点)
ベンジルヒダントインの合成(配点18点)
錠剤中の鉄分の定量(配点10点)

であり,40点満点である。


実際に実験をおこない,そのデータをもとに解答をおこなうものの,設問は客観的であり,これまでの全国高校化学グランプリの実験(二次試験)のようなレポート形式のものとは大きく異なる。

酵素によるアミノ酸エステルの加水分解は,反応速度を中和滴定により求める問題であり,類題として準備問題集の29番(アラニンメチルエステルの加水分解)が事前に出題されているので,予習をしていけば対応できるものであろう。ラセミ体のアミノ酸エステルを酵素で加水分解するので,L体のみが加水分解されることに注意。

ベンジルヒダントインの合成は有機合成実験の問題である。フェニルアラニンとシアン酸ナトリウムを反応させてアミノ基を尿素に変換した後,酸により環化してヒダントインを得るものである。自分で合成したヒダントインを提出させ,収量,収率を解答用紙に書かせる。また,TLCで原料,中間体,生成物を分析し,解答用紙にスケッチを記入するとともに,Rf値を計算させる。提出した生成物の融点を組織委員が測り,そこからわかる純度と収率の兼ね合いから得点が決まる。

鉄の定量実験は,錠剤の中に含まれている鉄分の量をキレート滴定により決定するものである。これも,類題としてキレート滴定に関する実験問題が準備問題集の問題28に出されている。