【速報】第42回国際化学オリンピック代表生徒の成績について

2010年7月27日

「夢・化学-21」委員会
日本化学会化学教育協議会

今年、初の日本開催となった「第42回国際化学オリンピック」(7月19日〜28日)。本大会で、日本代表生徒全員がメダルを獲得しました。大会には、68カ国・地域から267名の生徒が参加しました。金メダル2名、銀メダル2名は、2003年の初参加以来の快挙です。また、初の2年連続金メダル受賞者も誕生しました。

プレスリリース資料(文部科学省との共同発表)
過去(2003年〜2009年)の日本代表成績はこちらで一覧できます。http://icho.csj.jp/past.html

氏名 高校名 学年(年齢) 結果
浦谷 浩輝(うらたに ひろき)さん 滋賀県立膳所高等学校(滋賀県) 2年(16歳) 銀メダル
遠藤 健一(えんどう けんいち)さん 栄光学園高等学校(神奈川県) 3年(17歳) 金メダル
片岡 憲吾(かたおか けんご)さん 筑波大学附属駒場高等学校(東京都) 3年(17歳) 銀メダル
齊藤 颯 (さいとう はやて)さん 灘高等学校(兵庫県) 2年(17歳) 金メダ

※氏名の50音順にて掲載 
  ※年齢は本大会終了時点のもの
  ※遠藤さんは2009年に金メダルを獲得。


左から、浦谷さん、遠藤さん、片岡さん、齊藤さん。(閉会式直後、メダルを手に)。

◆生徒コメント◆
浦谷 浩輝(うらたに ひろき)さん
両試験とも手応えはありましたが、周りのみんなも同じはず。余裕ある表情をしている海外の選手も多かったので、僅差の争いになると思っていました。折り紙や書道など日本文化を体験するイベントを通じて、海外の選手と交流を深めることができたのも貴重な体験となりました。来年も必ず挑戦したい、そう思えるほど充実した大会でした。

遠藤 健一(えんどう けんいち)さん
前回大会で金メダルを取っているので、周りから感想やアドバイスを求められることが多かったです。でも大会や問題を上から見たりせず、みんなと同じ立場で挑戦することを心がけました。前回足りないと感じた国際交流が多くできたのもよかったです。ホスト国の代表として、より多くの国の生徒たちと言葉を交わすことができました。

片岡 憲吾(かたおか けんご)さん
前回大会の代表候補に選ばれ、事前学習を通じて問題への心構えができたことが、今回に生きたと思います。期間中、体調を崩してしまいましたが、試験中は熱があるのも忘れるくらい集中できました。宿舎では各国の生徒たちが小グループに分かれて交流しました。翌日に試験のない夜は、どの部屋も遅くまで笑い声が上がっていました。

齊藤 颯 (さいとう はやて)さん
オリンピック代表に選ばれたことを、自分と一緒に喜んでくれたのが家族です。家族の言葉を励みに、筆記でも実験でも自分の力を出しきることができました。試験後の“再会の夕べ”で、バンド演奏に合わせて海外の選手たちが踊りだしたのは楽しかったです。他の国の生徒もメンターの先生方も、会場全体で盛り上がりました。

◆同行役員のコメント◆
ヘッドメンター 
木原 伸浩(きはら のぶひろ) 化学グランプリ・オリンピック委員会オリンピックワーキンググループ委員/神奈川大学教授
日本代表という期待と責任に精一杯応えてくれた生徒たちに心から感謝しています。代表候補のさらなる強化や国内大会の拡大など、今回の成果を次につなげることが今後の課題だと思います。日本開催ということで、報道を通して化学オリンピックという活躍の場があることを、化学好きな生徒たちに伝えられたのは大きな収穫です。

メンター 
中村 朝夫(なかむら あさお) 化学グランプリ・オリンピック委員会オリンピックワーキンググループ委員/芝浦工業大学教授
代表候補の選出から事前学習や合宿を経て、この4人は見違えるほど成長しました。何より、自分で伸びていく力が素晴らしかったです。環境さえ整えてあげれば自ら学ぶし、実力を超える課題を与えても、逃げずに取り組んで向上します。メンター(=導き手)として、これほどやりがいを感じる学び手はいません。立派な高校生たちです。

◆参考◆
○参加国数/人数 
68カ国・地域/267名

○場所/期間 
日本(東京)/平成22年7月19日(月)〜28日(水)

(2010.07.27)